屋外広告業登録の要件
このページでは、屋外広告業登録の要件について解説しています。
屋外広告物は、良好な景観を形成し、自然の美しさを維持し、公衆に対する危害を防止、安全性の確保のために、法律や条令で規制され、屋外広告物を表示・設置するためには原則として許可を受けなければなりません。
許可を受けることができれば屋外広告物を設置することができるわけですが、その設置工事は誰でも請け負えるわけではありません。
許可を受けた屋外広告物を表示・設置するための工事を請け負うことができるのは、都道府県知事もしくは、政令市指定都市等の市長の登録を受けた業者のみであり、その業者を屋外広告業を営む屋外広告業者といいます。
広告物の企画、作製を行ったとしても、設置工事を行わないのであれば、屋外広告業には該当せず、登録は必要ありませんが、元請、下請の立場には関係なく、実際に工事を請け負う場合に必要になります。
屋外広告業の登録を受けるためには、幾つかの要件を満たさなければなりません。
登録の要件
次のいずれかに該当する場合は、屋外広告業の登録を拒否されることになっています。
- 申請書又は添付書類のうち重要な事項について虚偽の記載、又は重要な事実の記載がかけているとき。
- 屋外広告業の登録を受けていた者がその登録を取り消され、取り消し処分の日から2年を経過しない間に申請したとき。
- 屋外広告業の登録を受けていた法人がその登録を取り消され、その取り消し処分の日より前30日以内に役員であった者がその取り消し処分の日から2年を経過しない間に申請したとき
- 屋外広告業の登録を受けていた者で、営業停止を命ぜられているものが営業停止期間中に申請したとき
- 屋外広告物法、条例等に違反して罰金以上の刑に処されている者が、その執行を終わり、又は執行を受けることが亡くなった日から2年を経過しない間に申請したとき。
- 未成年者の申請で、その法定代理人が上記の1から5まで、又は下記の7のいずれかに該当するとき
- 法人の申請でその役員のうち上記の1から5までのいずれかに該当するとき
- 営業所ごとに業務主任者を選任していないとき
1の「重要な事項」、「重要な事実」というものは具体的には明記されていませんが、申請書に記載する内容、添付書類においては、誓約書、略歴書の内容ということになるでしょう。
また、登録の取り消しや刑罰を受けている場合でも登録の要件を必ずしも満たさないというわけではなく、ある程度の時間が経過すれば再チャレンジできるということです。
業務主任者の選任に関しては、以下に少し詳しく解説します。
業務主任者の要件
屋外広告業として登録を受けるためには営業所ごとに業務主任者を選任しなければなりません。
業務主任者の役割は、法令の遵守、業務の適正な実施を確保することです。
必ずしも、その営業所に専任である必要はなく、兼任でも認められますが、事業主と雇用契約等により継続的な関係を有し、基本的に勤務時間中はその事業所に随時従事しうる必要があります。
常に営業所にいる必要はありませんが、必要が生じた場合は、随時対応できる状態でなければなりません。
そのため、誰でも業務主任者になれるわけではなく、次のような一定の資格が必要です。
- 屋外広告士(登録試験機関の試験合格者)
- 広島県が行う屋外広告物講習会修了者
- 他の都道府県、指定都市又は中核市が行う屋外広告物講習会修了者
- 広告美術仕上げに関する職業訓練指導員免許所持者、技能検定合格者または職業訓練終了者
広島県の場合は、屋外広告業を登録する各自治体、広島県、広島市、福山市、呉市が持ち回りで講習会を開催していますので、そちらを受講すればよいのではないかと思います。
早急に資格が必要な場合は、各都道府県で年に1度程度しか開催されないので、他の都道府県の講習会を探してみる必要があります。
広島県の場合は、二日間にわたって行われ(二日目は昼まで)、講習手数料は4,000円です。
また、テキストを3冊購入しなければならず、テキスト代が、7,790円必要です。
講習科目、内容は次のとおりです。
講習科目 | 内容 |
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屋外広告物に関す恵右法令 | 屋外広告物法の趣旨の周知、屋外広告物条例その他関係法令について一般的知識の修得 |
屋外広告物の表示に関する事項 | 都市の美観風致と広告物の意匠、色彩及び形状との調和のありかたについての一般的知識の修得 |
屋外広告物の施工に関する事項 | 屋外広告物の種類ごとの材料、構造、設置方法等についての一般的知識の修得 |
営業所
営業所については、特別明確に基準が示されているわけではないのですが、業務主任者を「営業所ごとに」選任しなければならないため、「営業所」の存在が大前提となっています。
営業所とは、次のように考えられています。
必ずしも、屋外広告業者の代表者が営業所の契約上の名義人である必要はありません。
つまり、所有者が誰であるか、使用権原を有しているか、ということは問われないため、登録申請時に添付書類も必要ありません。
営業所としての実態を有していればいいわけですが、単なる作業場、連絡事務所のようなものは含まれません。